プレ老後生活 夫婦二人暮らしとなりました

これから退職するかたや若い世代の老後に向けての参考になれば嬉しいです

もうひとつのかわいそうなゾウの話

夏休みに入ってから時々、孫と図書館で本を借りたりしています。おすすめ図書のコーナーに『かわいそうなぞう』がありました。もうすぐ終戦記念日です。立ち読みしただけで私の涙腺がゆるむゆるむ。

あらすじは有名なので知っているかたも多いと思いますが、第二次世界大戦が激しくなり空襲で檻が破壊された際の猛獣逃亡を視野に殺処分されてしまうお話です。ゾウに毒の入った餌を与えるも餌を吐き出してしまい。結局、餓死するのを待つことになります。ゾウたちは餌をもらうために飼育員の前で必死で芸をしますが・・・3頭のゾウたちは順番に餓死してしまいます・・・。作者は児童文学作家の土屋由岐雄による童話ですが、太平洋戦争中の上野動物園でゾウが戦時猛獣処分を受けたという実話がベースとなっています。

先日、職場でこの『かわいそうなゾウ』のことを調べた友人があり(仕事で使う資料だったらしい)その資料を借り受けて読んでみました。

・・・ゾウたちが殺処分された1943年の夏は空襲は切迫していなかった。確かに1942年にB25爆撃機による空襲はあったが、まだ小規模な奇襲攻撃にしか過ぎなかった。B29による東京大空襲は1944年から始まるので、空襲で猛獣が逃げだす心配はなかった。猛獣ならともかく、なぜおとなしく芸をして人気者のゾウまで殺処分されなければならなかったか? 殺処分は『軍からの命令』と語られているが、東京都ではこのようにまだ戦争は緊迫しておらず、米軍による大空襲は、この1年以上先、敗戦色濃厚になった1944年秋のこと。では誰がこれを命令したのか?東京都長官(東京都知事)に就任したばかりの大達茂雄である。上野動物園園長の古河忠道によると『都長官になる前、シンガポール市長であった大達は、内地に帰って、勝ち戦と思い、戦争の怖さも知らないでいる日本国民に自覚させるために、動物園の動物を処分することで警告を発したかった』とのこと。つまり殺処分は大空襲で猛獣が逃げ出し、住民が危険にさらされるのを避けるために仕方なかったのではなく、国民に覚悟させ戦争を継続させるための、いわば『精神論』として行われ、そのために葬式を派手に演出する必要があった・・・戦争推進側の勝手によって引き起こされた、ゾウにとっても戦況を知らされてなかった国民にとっても悲劇であった。

 

ひどい話です。空襲が始まって人間を守るために仕方なく猛獣たちを殺処分とばかり思っていました。殺処分の命令者は戦争を始めた側・・・戦意高揚のため。なんの罪もない動物たち。調べてみるといろんな解釈があるようです。が、一貫して言えるのは、戦争下では命があまりにも軽く扱われるということでしょう。動物の命だけではなくもちろん人の命も。弱きものから犠牲になっていきます。

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キミのためにもずっと平和な世の中でありますように。世界中のみんなが平和ボケになったらいいのになー。

 

 

戦争を声高に反対するという本ではありませんが、戦争とはこういうことなんだと心にぐっとくる本です。涙なくしては読めませんでした。時間があるかたはぜひ手に取ってみてください。図書館にもあると思います。

 

 


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